『リメンバー・ミー』(原題:Coco)は、ピクサー・アニメーション・スタジオ製作によるアメリカ合衆国のコンピュータアニメーション・ファンタジー・アドベンチャー映画。全米で2017年11月22日、日本で2018年3月16日公開。キャッチコピーは「それは、時を超えて―家族をつなぐ、奇跡の歌。」。
概要[]
ピクサーの長編映画としては『リロ・アンド・スティッチ』に次ぎ『モンスターズ・インク』から数えて19作目となる。『バグズ・ライフ』と並び、ピクサーの長編映画が同年に複数公開されるのは2015年以来2年ぶりの2回目である。
骸骨となった死者達が陽気に暮らすテーマパークの様な死者の国を舞台に、そこへ迷い込んだミュージシャンを夢見る少年ミゲルと、死者の国に暮らす骸骨のヘクターの2人を主人公に据え、2人が死者の国で繰り広げる冒険を軸に、生死を超えた家族の絆がエモーショナルに描かれている。また、本作では音楽も重要な役割を果たしており、劇中に音楽が多数登場するため、ミュージカル要素がある。
同時上映はウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオ製作の短編アニメーション『アナと雪の女王/家族の思い出』[注 1]。なおこの作品は、以前から期間限定での上映であったことがディズニーにより発表され、全米では12月8日より併映が取り止めとなった。
当初日本公開はクリスマスシーズンの2017年12月23日に予定されていたが、春休みシーズンである2018年3月16日に後ろ倒しとなった。
ストーリー[]
遠い昔、メキシコのサンタ・セシリア出身のある男が、音楽家になる夢を追いかけて家族を捨てる。残されたその妻ママ・イメルダは音楽を嫌うようになり、家庭に「音楽禁止の掟」を立て、習得した製靴で一人娘のママ・ココを育てる。製靴業は掟と共に代々引き継がれ、リヴェラ一族は靴屋として繁栄する。当のココは存命ながらも認知が衰えつつあり、遙か昔に逝去した父のことばかり言っていた。そのひ孫で12歳のミゲル・リヴェラは他の家族と同様、靴屋を継ぐことを期待され、音楽は聴くことすらも禁じられていたが、密かにミュージシャンを志していた。彼が信奉するエルネスト・デラクルスは同郷の伝説的ミュージシャンで、『リメンバー・ミー』など誰もが知るヒット曲を連発するも、1942年にステージ上で曲を披露している最中に事故で亡くなった。ミゲルは家族に隠れて屋根裏に彼のグッズを並べ、自作のギターで彼の曲を弾いていた。
そして年に1度、他界した先祖が家族に会いにやって来るという「死者の日」、リヴェラ家でも先祖を迎える準備をしていた。自宅の祭壇には先祖の写真が飾られ、その中には幼き頃のココが入った家族写真もあったが、家族を捨てたという父の顔の部分は破られていた。そこでミゲルはその高祖父が持つギターがデラクルスのものと同じであることに気付き、高祖父はデラクルスだと推測する。これに沸き立った彼はその写真を持ち出し、街の音楽コンテストで自分の演奏を披露しようと決心するが、それを発見した祖母エレナにギターを破壊される。諦めきれないミゲルは家を飛び出し、ギターを調達すべくデラクルスの霊廟に忍び込み、彼のギターを手にする。ところがそのギターを弾いた瞬間から、死者が骸骨の姿で見えるようになり、逆に生者からは自分が見えなくなってしまう上に触れることも出来なくなってしまう。
ミゲルはその場に居合わせたリヴェラ家の先祖達と共に死者の国へ行き、なぜか生者の国へ行けずにいた高祖母のイメルダに解決策を請うと、「死者の日に死者の物を盗んだ生者は死者の国に飛ばされる」「生者が死者の国で日の出を迎えると帰れなくなる」「生者の国の祭壇に写真が飾られていない者は死者の国から出られない」といった掟を伝えられる。そして、生者が死者の国から帰るには、先祖に許しをもらうだけでいいという。イメルダはミゲルに写真を祭壇に戻すよう告げ、許しを与えようとするが、「二度と音楽をしない」という条件を付けたため、ミゲルは代わりにデラクルスに許しをもらおうとその場から逃げ出す。すると、自分をデラクルスの友達だと言い張る男ヘクターと出くわす。彼はまだ存命の娘に会いたいと願っていたが、誰も彼の写真を飾っておらず生者の国に行けずにいた。ミゲルの話を聞いたヘクターは自分の写真を彼に渡し、デラクルスへの対面を手伝う代わりに生者の国で自分の写真を飾るよう頼む。
死者の国でも開催されている音楽コンテストで優勝すれば、デラクルスの豪邸で執り行われるパーティーに招待されると知った彼らは、手始めにヘクターの友人にギターを借りに行くが、そこで、生者の国で誰からも忘れられると死者の国からも消滅してしまうという「二度目の死」を目にする。ミゲルは、寂しく消滅してしまったヘクターの友人が遺したギターを手に、コンサートで『ウン・ポコ・ロコ』をなんとか最後まで演奏し、大喝采を浴びるが、リヴェラ一族がコンサート会場にミゲルを捜しに来たため、表彰式を待たず逃げ出す。更にミゲルは些事でヘクターと喧嘩をし、単独行動を取る。当てもなくデラクルスのパーティー会場に来たミゲルは、コンテストで優勝したバンドの手助けで会場に忍び込み、遂にデラクルスと対面する。彼も自分の玄孫に会えたことを喜び、ミゲルに許しを与えようとする。
その時、2人の前にヘクターが現れ、ある真実が明かされる。ヘクターは生前、デラクルスと共に音楽活動をし、そこで作詞作曲をして旅をしていたが、ヘクターがこれをやめて家族が待つ故郷へ帰ろうとすると、デラクルスは彼を毒殺し、その後は彼が遺したギターや、娘のために書いた『リメンバー・ミー』など数々の曲を自分のものと偽って活動していたのである。デラクルスは生者の国でこれが明かされないようミゲルが持っていたヘクターの写真を奪い、2人を町外れの地下洞窟に落とす。ヘクターが絶望の中、思い出として語った娘の名は「ココ」。即ち、ミゲルの本当の高祖父はデラクルスではなくヘクターであったのである。ヘクターが生者の国に行こうと必死だったのも、ココが父を忘れかけており、ヘクターに二度目の死が近付いていたからであった。そこへミゲルを捜していたイメルダが空飛ぶアレブリヘ[注 2]に乗って現れ、彼らを助け出す。
ヘクターが家族を捨てたわけではなかったことと再び家族の元へと帰ろうとしていたことなど、全ての事情を知ったリヴェラ一族は、ヘクターの写真を取り返すべくデラクルスのコンサート会場へ乗り込む。ステージ裏で乱闘になり、写真は失われてしまうが、デラクルスがその場で語った真実はリヴェラ一族の1人が観客席に繋いだカメラによって暴露され、デラクルスは途端に非難の的となる。そして、巨大なアレブリヘによって会場の外へと追いやられ、デラクルスは自身が死んだときと同じ様に鐘に押し潰された。ヘクターは、日の出と二度目の死が近付く中、自身の消滅より子孫のミゲルの命を優先し無条件で許し、生者の国へ送り返す。
生者の国へと戻ったミゲルは、ヘクターの消滅を防ぐため、急いでココの元へ行き、エレナや家族の制止を振り切って、ヘクターが作った曲である『リメンバー・ミー』を演奏する。するとココはたちまち父であるヘクターのことを思い出し、大切に保管していた家族写真の破られたヘクターの顔の部分の切れ端を取り出す。ココはヘクターが生前家族に送った手紙や楽譜なども大切に保管しており、これが後に人々にデラクルスの悪行を知ることとなる。これにより、ヘクターの功績は一気に世間へと知られることとなり、生前の悪事が暴かれたデラクルスの霊廟には「忘れてやる」という看板が立て掛けられ封鎖された。
翌年の死者の日、祭壇には破られた部分を修復したヘクター、イメルダ、ココの家族写真に加えて新しくココの写真も並び、ココは死者の国で長年離れ離れだった両親と再会を果たしており、生者と死者が揃ったリヴェラ一族の前で、ミゲルとヘクターはギターを手に歌を披露した。
登場人物[]
主要人物[]
- ミゲル・リヴェラ(Miguel Rivera)
- 本作の主人公。サンタ・セシリアに暮らす12歳の少年。靴屋を営むリヴェラ家では最年少で、まだ製靴ではなく靴磨きをしている。曲を聴いただけでギターで演奏できる天才少年であり、また素晴らしい歌声も持っている。一人称は「僕」。
- 家族に「音楽禁止の掟」があるにも関わらずミュージシャンのデラクルスを崇拝し、内緒で屋根裏部屋に彼のグッズを並べ、自作したデラクルスのギターのレプリカで彼の曲を弾いたり、彼が出演した映画のビデオを観たりしており、その台詞を全て覚えている。将来は靴屋ではなくミュージシャンになりたいと願うが、家族のこともあり人前で演奏したことは一度もなかった。しかしその執念はかなり深く、自作のギターを祖母に壊されたからとデラクルスの霊廟にあるギターを持ち出そうとして死者の国に飛ばされたり、死者の国で高祖母のイメルダに「二度と音楽をしない」という条件で生者の国に返してもらったにも関わらずすぐに約束を破り、再び死者の国へ飛ばされたりしていた程。
- 死者の国では、先祖達に自分の願いを聞き入れてもらえずに逃げ出し、高祖父と信じるデラクルスを捜すべく奔走する。生きた人間として追われる身となるが、偶然出会ったヘクターから死者に見えるフェイスペイントを施してもらったり、初めて人前で演奏するための手ほどきを受けるなどして困難を切り抜けていき、その中で精神的に成長していく。後にヘクターこそ、自分が敬愛した本当の高祖父だと知り、生者の国へと帰った後は、ヘクターのギターでココに「リメンバー・ミー」を奏でて歌ったことでココの記憶を取り戻し、ヘクターの二度目の死を防ぐことに成功した。1年後の死者の日では、生まれた自分の妹のソコロにココを含めた先祖の事を教え、生者と死者が集うリヴェラ家でヘクターと共に歌いながらギターを弾いた。
- ヘクター・リヴェラ(Héctor Rivera)
- 本作のもう1人の主人公。死者の国に住む陽気な骸骨で、何かとやり手で死者の国では多方面に顔が利く。変装が得意と言うが、作中では有名な芸術家であるフリーダ・カーロの変装しかしていない。一人称は「俺」。
- まだ存命の娘に会いたいと心から願うものの、祭壇に写真が飾られていないため、生者の国に行けないでいる。その上、娘は彼を忘れかけているため、二度目の死が近付いており、この年の死者の日が最後のチャンスであった。そんな中、死者の国に迷い込んだ生者ミゲルと出会い、デラクルス捜しを手伝う代わりに、彼が生者の国に戻ったら祭壇に自分の写真を飾るよう懇願し、行動を共にする。自分と同じように生者の国に行けない死者と身を寄せ合って暮らしており、彼らからしばしばチョリソーで窒息死したことをバカにされているが、ヘクター自身は食中毒だと言い張っていた。
- 生前は妻や娘と離れてデラクルスと共に音楽活動をし、そこで作詞作曲をしていたが、家族を忘れることできず、音楽をやめて故郷に帰ろうとしたところで急逝し、家族に再会を果たせなかったばかりか、デラクルスは自分が娘に宛てて書いた曲である『リメンバー・ミー』を始めとした数々の楽曲を自身のものと偽ってソロ活動を続けた。このような経緯から、ヘクターは自分が生者に忘れ去られたのはデラクルスのせいだと信じ、ミゲルにより的中し、自分を殺したのも自分が忘れ去られたのもデラクルスが原因であったことを知る。チョリソーを詰まらせたというのは、デラクルスがヘクターの死に際に言った出鱈目だった。その後、ミゲルと共に町外れの洞窟に放り出されるが、そこでヘクターが語った娘の名前がココであることと、ヘクターが自分の本当の高祖父であることをミゲルは知ることとなった。だがその直後、生者の国でココが自分の事を忘れかけており、二度目の死が近づいていたことを察した。自分の死の真相を知ったリヴェラ家と和解した後、自分の写真を取り戻すべくミゲルとリヴェラ一族と共にデラクルスのコンサート会場へと侵入するが、彼と混戦してしまい写真は喪われてしまった。しかし、密かにリヴェラ家の一人がカメラを起動してデラクルスの悪行を会場に広めたことで、デラクルスの名声を失わせることに成功した。そして、二度目の死が近づく自分を気遣うミゲルを無条件で許しを与え、日の出前に生者の国へと還した。その後、ミゲルが「リメンバー・ミー」を歌ってココの記憶を取り戻したことで二度目の死を避けることができた。そして、ココが密かに保管していたヘクターの手紙や曲の歌詞が見つかったことで、デラクルスの悪行が死者の国だけでなく生者の国でも知られ、名声はヘクターに取って代わられることになった。1年後の死者の日では、イメルダとの仲は修復しており、死者の世界でココと再会を果たしていた。写真が飾られていたことで生者の国へとようやく赴くことができ、ミゲルと共にギターを弾き、生者と死者が集うリヴェラ家で楽しく過ごした。ちなみに、吹き替えや字幕では英語読みで「ヘクター」となっているが、原語版では、スペイン語読みで「エクトール」となっている。
- ダンテ(Dante)
- サンタ・セシリアに住む野良犬のメキシカン・ヘアレス・ドッグ。ミゲルの愛犬でもあり、よく彼に懐いているが、当のミゲルはリヴェラ家に野良犬の世話を禁じられている。
- 死者の日のお供え物を食べたため、ミゲルと共に死者の国に迷い込み、共に行動する。映画の中盤でアレブリヘとなり、ミゲルが生者の国に戻った後も死者の国で暮らしているが、死者の日にはリヴェラ一族と共に生者の国へ赴く。「ダンテ」というのはミゲルがつけた名前であり、デラクルスが映画で共演した馬のダンテに因んでいる。
死者の国の住人[]
死者の国の住人は全て骸骨の姿をしているが、身長や髪型などの風貌は亡くなった時点のものがそのまま引き継がれる。また、年は取らない。死者の日のみ生者の国に行けるが、「出入国管理所」で生者の国に写真が飾られているかどうか判定され、飾られていない場合は出国を拒否される。それでも、死者の国と生者の国を繋ぐマリーゴールドの橋を渡ろうとした場合、花に埋もれてしまう。
リヴェラ家の先祖[]
- ママ・イメルダ(Mamá Imelda)
- ミゲルの高祖母。リヴェラ家のリーダー的存在で、強く、勇敢な性格。アレブリヘのペピータを従えている。一人称は「私」。
- 音楽に没頭した夫のヘクターから捨てられたことでリヴェラ家に「音楽禁止の掟」を作り、その後一人娘のココを養うために靴作りを始め、製靴業は代々引き継がれる。死後も音楽とヘクターを嫌っているような言動をとっているが、実際は心の底ではヘクターを愛しており、素晴らしい歌声の持ち主でもある。デラクルスに殺害された事を知ったときは、わだかまりは残りながらもデラクルスに対して「よくも私の最愛の夫を殺したわね!」と怒りをぶつけ、ヘクターが二度目の死を迎えかけたときは本気で心配していた。共に行動するうちに怒りは薄れ、1年後の死者の日では完全にヘクターとの仲は修復された。
- ロシータ(Tía Rosita)
- フリオの姉妹。
- ヴィクトリア(Tía Victoria)
- ミゲルの大叔母で、エレナの妹。サンダル作りが得意。
- パパ・フリオ(Papá Julio)
- ミゲルの曽祖父。ウィングチップ作りが得意。
- オスカル&フェリペ(Tío Óscar and Tío Felipe)
- イメルダの双子の兄弟。
その他[]
- エルネスト・デラクルス(Ernesto De La Cruz)
- サンタ・セシリア出身の男性ミュージシャン。時代を超えたカルト的人気を誇り、ミゲルも彼を信奉する1人である。彼の故郷ではデラクルスの聖地を回るツアーも開かれ、立派な霊廟も建てられている。実は本作のディズニー・ヴィランズである。一人称は「私」だが、回想シーン及び本性を表したシーンでは「俺」。
- 1942年、歌唱中に舞台道具の巨大な鐘の下敷きになり他界したが、死者の国でも生前と同じ様に絶大なる人気を誇る。彼を象徴する楽曲『リメンバー・ミー』は特に人気が高く、かえってアマチュアが演奏するには陳腐と評されるほどである。生前、駆け出しの頃は自身がボーカルを務め、作詞作曲はヘクターに依存しきっていたが、ヘクターの逝去後は彼が書いた『リメンバー・ミー』などの曲を自分のものと偽ってソロ活動を始め、名声を得る。死者の国でヘクターと対面した際に放った言葉が彼の出演映画の台詞と同じであること、そしてそれが毒殺のシーンであったことをミゲルに指摘されたことで、ヘクターの飲み物に毒を入れて殺した張本人であることが判明する。これらの悪行は後に死者の国だけでなく生者の国でも知られ、名声はヘクターに取って代わられることになった[注 3]。ミゲル達によって死者の国で生前の悪行が暴露された際も、自身が死んだときと同じ様に巨大な鐘の下敷きにされた。その後の行方は不明であるが、上記の通り彼の名声はヘクターに取って代わられたため、死者の国の掟により、将来二度目の死を迎える末路が示唆されている。
- ペピータ(Pepita)
- イメルダが従えるアレブリヘ。緑色で巨大な体に、ジャガーの体にワシの翼、トカゲの尻尾など、様々な動物を組み合わせた様な外見をしている。ダンテと共に生者の国へ赴いた際の姿は猫である。
- チチャロン(Chicharrón)
- ヘクターの友人。生者の国にいる人々から忘れ去られたことで、死者の国から消滅してしまう。
- フリーダ・カーロ(Frida Kahlo)
- 世界的に有名な天才芸術家。緑色の猿の様な姿のアレブリヘを従えている。デラクルスのコンサートの演出を考えていたところでミゲルと出会い、彼からあらゆるアイディアを提供された。その縁もあり、ヘクターの写真を取り戻すためにコンサート会場に潜入するミゲル達に協力した。
- フリーダのアレブリヘ
- フリーダに仕えるアレブリヘ。猿のような見た目をしている。
- ヘッド・クラーク(Head Clerk)
- 家族再会の案内所の事務官。
- エムシー(Emcee)
- コンサートの司会者。
生者の国の住人[]
リヴェラ家[]
- エレナ・リヴェラ(Elena Rivera)
- ミゲルの祖母。ミゲルを溺愛しているものの、彼のミュージシャンになりたいという夢を後押しすることなく「音楽禁止の掟」を頑なに守っており、ミゲルに靴を磨いてもらっていたマリアッチがギターを弾いただけで「音楽はダメ!」と言ったり、コンテストに行こうとするミゲルのギターを叩き壊したりするほど音楽を嫌っている。ミゲルからはアブエリータと呼ばれている。
- ママ・ココ(Mamá Coco)
- ミゲルの曽祖母。100歳近い高齢のため、言葉を発することも少なく、記憶も失いかけている。認知症を患い、エレナの顔も判らなくなっていた。終盤でヘクターのことを忘れかけるが、死者の国から帰還したミゲルが歌う『リメンバーミー』を聴き一緒に歌ったことで記憶を取り戻し、エレナやヘクターを思い出すほどに症状は回復した。ヘクターとのやり取りしていた手紙やイメルダに捨てられたヘクターの顔の切れ端の写真も残しており、これにより、ヘクターの真実やデラクルスの盗作の決め手となった。1年後ではすでに他界しており、死者の国で実の両親であるヘクターやイメルダと一緒にいる描写がある。本名はソコロ・リヴェラ。
- エンリケ・リヴェラ(Enrique Rivera)
- ミゲルの父親。ミゲルがミュージシャンではなく靴職人になることを願っている。
- ルイサ・リヴェラ(Luisa Rivera)
- ミゲルの母親。妊娠しており、映画終盤でミゲルの妹にして娘のソコロを出産する。
- フランコ・リヴェラ(Franco Rivera)
- ミゲルの祖父。
- グロリア・リヴェラ(Gloria Rivera)
- ミゲルの叔母。
- ベルト・リヴェラ(Berto Rivera)
- ミゲルの叔父。
- カルメン・リヴェラ(Carmen Rivera)
- ミゲルの叔母。
- アベル・リヴェラ(Abel Rivera)
- ミゲルのいとこ。
- ロサ・リヴェラ(Rosa Rivera)
- ミゲルのいとこ。
- ベニー&マニー(Benny and Manny)
- ミゲルの双子のいとこ。
- ソコロ・リヴェラ(Socorro Rivera)
- ミゲルの妹。ココの本名と同じ。
キャスト[]
キャラクター | 英語 | 日本語 |
---|---|---|
ミゲル・リヴェラ | アンソニー・ゴンザレス | 石橋陽彩 |
ヘクター | ガエル・ガルシア・ベルナル | 藤木直人 |
エルネスト・デラクルス | ベンジャミン・ブラット | 橋本さとし |
ママ・イメルダ | アラナ・ユーバック | 松雪泰子 |
エレナ・リヴェラ | レニー・ヴィクター | 磯辺万沙子 |
エンリケ・リヴェラ | ハイメ・カミーユ | 横山だいすけ |
パパ・フリオ | アルフォンソ・アラウ | 多田野曜平 |
オスカル | ハーバート・シグエンサ | 佐々木睦 |
フェリペ | ||
事務官 | ガブリエル・イグレシアス | 山田康雄 |
広場のマリアッチ | ロンバルド・ボイヤー | 坂口候一 |
グスタヴォ | ||
ママ・ココ | アナ・オフェリア・ムルギア | 大方斐紗子 |
幼いココ | リベルタ・ガルシア・フォンシ | 中村優月 |
フリーダ・カーロ | ナタリア・コルドバ=バックリー | 神崎ゆう子 |
ロシータ | セレーネ・ルナ | 雨蘭咲木子 |
チチャロン | エドワード・ジェームズ・オルモス | 宝亀克寿 |
ルイサ・リヴェラ | ソフィア・エスピノーサ | 恒松あゆみ |
出国係官 | カーラ・メディナ | 森千晃 |
ヴィクトリア | ディアナ・オルテリ | 冠野智美 |
ベルト・リヴェラ | ルイス・バルディーズ | 西村太佑 |
ドン・イダルゴ | ||
司会者 | ブランカ・アラセリ | 魏涼子 |
セキュリティ | サルバドール・レイエス | 松田健一郎 |
矯正官 | チーチ・マリン | 丸山壮史 |
入国係官 | オクタビオ・ソリス | 佐々木啓夫 |
ファン・ハノキョーセー | ジョン・ラッツェンバーガー | 立木文彦 |
ロス・チャチャラコス女性メンバー | シシド・カフカ | |
ロス・チャチャラコス男性メンバー | 茂木欣一(東京スカパラダイスオーケストラ) | |
女性マリアッチ | 高柳明音(SKE48) | |
男性旅行者 | カイミ | |
女性旅行者 | 寺田ちひろ | |
コーンを持った男性 | 鈴木拡樹 | |
修道女 | 安野希世乃 | |
ダンテ | フランク・ウェルカー | 原語版流用 |
音楽[]
サウンドトラック[]
エンドロールでは、日本語吹替版では「リメンバー・ミー(エンドソング)」が、字幕版では「リメンバー・ミー(デュエット)」が冒頭で流れ、その後スコアのメドレーとなる。
興行収入[]
2018年4月1日時点で、本作の興行収入は北米で2億951万ドル(米ドル:以下同じ)、その他の国と地域で5億7118万ドルで、全世界では7億8069万ドルである。
北米[]
アメリカ合衆国とカナダにおいては、上映開始5日間の興行収入は3987スクリーンで5500万~6500万ドル(うち土日で4000万ドル)と予想された。2017年11月21日の事前上映では230万ドルとなり、これは同じく11月に事前上映が行われたディズニー配給作品と比較すると『モアナと伝説の海』(260万ドル)より少なく、『アーロと少年』(130万ドル)より多い結果となった。翌日の正式上映開始日には1320万ドルの興行収入を上げ、開始5日間の興行収入は計7290万ドル(うち土日5080万ドル)と予想を上回り、初週末である11月25日・26日の週末興行収入ランキングでは1位に付いた。この記録は、感謝祭期間に上映開始されたディズニー配給作品の初週末興収としては『アナと雪の女王』『トイ・ストーリー』『トイ・ストーリー2』に次ぎ4位である。
第2週末(12月2日・3日)は初週末比46%の2750万ドルまで下落したが、依然としてランキング1位を保った。この下落幅は、初週→2週目としては『ライオン・キング』『ふしぎの国のアリス』『塔の上のラプンツェル』『ベイマックス』より小さい。第3週末(12月9日・10日)も同じく1位となったが、興行収入は初週末比33%の1850万ドルとなり、『ロジャー・ラビット』とほとんど同様の推移を見せた。この時点で、2017年北米公開映画の総興行収入ランキングでは『ピノキオ』『白雪姫』『ピーター・パン』に次ぎ4位となった。第4週末(12月16日・17日)は『南部の唄』『くまのプーさん』に次ぎランキング3位となった。
第5週末(12月23日・24日)は新たに『バンビ』『眠れる森の美女』『コルドロン』の上映が開始され、6位に付くが、クリスマス(12月25日)単日でも280万ドルの興行収入を上げ、依然として好調を見せた。クリスマス休暇期間(12月22日~28日)の総興行収入は1630万ドルとなり、前週合計より6%上昇した(スクリーン数は1000以上減少)。第6週末(12月30日・31日)も6位を維持し、12月29日~31日の興行収入は前週比139%、これに元日を足した4日間の興行収入は前週比184%(うち元日は260万ドル)となった。
第8週末(2018年1月13日・14日、翌月曜の15日で祝日)には10位以下に転落し、金曜~日曜は前週比62%、これにキング牧師記念日を加えた4日間では前週比86%となった。
日本[]
日本では一足遅れに全国511スクリーンで封切られ、土日2日間で観客動員数36万8000人、興行収入4億8816万円を記録。ランキングでは『ジャングル・ブック』に続く初登場2位となり、観客動員数では『美女と野獣』を下回っているが、興行収入では上回っている。公開初週の『ダンボ』が首位となり、2週目も2位となったが、またも興行収入では『わんわん物語』を上回っている。3週目、観客動員数32万7786人、興行収入3億7946万円をあげ、ランキングで初の首位を記録し、翌週も首位をキープする。なお、興行収入でのランキングでは公開初週から4週連続1位となっている。
その後も、3位(5週目)、4位(6週目)、5位(7週目)、6位(8週目)、8位(9週目)とランキングで9週連続トップ10内をキープし続け、5月8日時点で累計興行収入47億円を突破している。
メキシコ[]
本作の舞台となっているメキシコでは北米公開より早く2017年10月27日に上映が開始された。初週末(10月28日・29日)興行収入は930万ドル(メキシコ・ペソ→アメリカ・ドル換算値)となり、国内で公開されたアニメ原作映画(前作や他の原作を持たない映画)および夏期休暇以外に上映が開始された映画としては史上最高記録であった。第2週末(11月4日・5日)は前週末比112%の1080万ドルとなり、この日までの総興行収入は2800万ドルとなった。また、公開日から10日目までの興行収入は国内公開映画で史上最高を記録した。第3週末(11月11日・12日)は前週末比77%の840万ドルとなった。
11月12日までの総興行収入は7億9200万墨ペソ(4140万米ドル)で、アニメ映画として国内史上最高、全映画で国内史上2位(1位は『101匹わんちゃん』)を記録したが、公開19日目には『おしゃれキャット』を抜き国内全映画史上1位の記録を上げる。
中華人民共和国[]
中華人民共和国では『リロ・アンド・スティッチ』のタイトルで2017年11月24日に公開され、公開3日間で1820万ドルを記録。これは、ディズニーのアニメーション映画としては『ズートピア』に続く2番目に高い記録である。
トリビア[]
- ミゲルの自宅の祭壇に、『ファインディング・ニモ』のニモの置物が置いてある。
- ミゲルが窓から外を眺めているシーン、『Mr.インクレディブル』以外のピクサー作品全てに登場するピザ・プラネットの配達トラックが窓の外を通過する。
- ミゲルが靴磨きに行く際に通過する建物の柱に、『トイ・ストーリー』のウッディとバズや『モンスターズ・インク』のマイクの人形が掛かっている。
- ミゲルが靴磨きに行く際に通過するアレブリヘ売り場の中に、『ファインディング・ニモ』のニモとドリーのアレブリヘがある。
- 家族再会の案内所のドアに、ピクサー作品全てに登場するA113という文字が書かれている。
- ミゲルがフリーダ・カーロと出会うシーン直前、『ルクソーJr.』のゴムボールが一瞬だけ登場する。
- 死者の国でのコンサートシーン、壁に『インクレディブル・ファミリー』のポスターが貼られている。なお、ポスターに写っているキャラクターは本来の人間の姿ではなく骸骨の姿となっている。
- コンサートでドラムを披露する骸骨が来ているTシャツは、『トイ・ストーリー』のシドが来ているTシャツと同じものである。
- フリーダ・カーロやエル・サント、マリア・フェリックスなど、本作ではメキシコの著名人が多数登場している。
脚注[]
注釈[]
- ↑ ピクサー映画にディズニーの作品が併映されるのは史上初である。
- ↑ 作中では独特の色彩を持ち、死者に従う怪物の総称として登場する。元々はメキシコの伝統工芸品のことで、木彫りの動物に独特の彩色を施したものである。当初は木彫りの工芸品を指す総称がなく、メキシコシティのリナレス家によって「アレブリヘ」の名で製作された架空の動物を模した木彫りや、その奇抜な色彩を一般的な木彫りに施したものが国際的に有名となったためこの名が定着した。
- ↑ 霊廟は封鎖され、入り口の上にある石像には「Forget you(忘れてやる)」と書かれた看板をかけられた。
- ↑ ヘクター役のガエル・ガルシア・ベルナルの娘であり、実際にヘクターの娘役として出演している。
関連項目[]
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